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インタビュー

第2回「 特定非営利活動法人ZEROキッズ 佐々木香さん」

今回のインタビューは、佐々木香さんです。 特定非営利活動法人ZEROキッズ理事長。「ZEROキッズ」は、1993年に地域の少年少女合唱団とママさんコーラスを母体として「なかのZERO大ホール」の開館記念区民参加事業、親子オペレッタをきっかけに設立されました。
2001年にNPO法人化。そうぞう力(imagination&creation)をテーマに様々な表現体験や自然体験から異年齢の子どもたちの仲間づくりを進めています。活動の集大成としてのミュージカルは、楽譜やCDとなって出版され全国で愛唱されています。
2018年10月から中野区江古田でキッズルーム「もりのいえ」の運営を受託。常設の親子の居場所として、また「音あそび」や「赤ちゃんおはなし会」等を開催し、乳幼児親子の子育て支援にも活動を広げています。
本NPOが定期的に活動している「くにポン&アッキーの音の楽校」や「おひさまリトミック」も佐々木さんからのご依頼です。
聞き手:口中常嘉(事務局長) 同席者:池田理事長・斉藤副理事長

池田さんと出会ったきっかけは何ですか?

(佐々木さん)ZEROキッズを始めてから、子どもたちに体験してもらうにはまず自分がやってみなければと思い、中野区教育委員会が主催したレクリエーションリーダー講習会に参加しました。その中に手作り楽器の講座があって国立音楽大学の繁下和雄先生が担当されていました。紙で楽器を作ったりして、これはZEROキッズの子どもたちにも体験させたいなと思い、繁下先生に講師として来ていただけないかとお願いしたら、「うちの若いの(当時の池田理事長)を紹介するよ」とおっしゃったんです。

それはいつ頃ですか?

(佐々木さん)1994年か、95年。それで池田先生の連絡先を教えてもらってお願いしたんです。

では、25年のお付き合いですね。
最初、池田さんにお会いした時の印象は?

(佐々木さん)小学校の音楽の先生で、偉ぶってないし、フレンドリーだし、面白い方という印象でした。

(池田)僕の方は、どんなことをすればいいんですか?って伺ったら、自由に音で子どもたちと遊んでくださいって。これは面白そうだと思ってその場ですぐにお引き受けしました。

(佐々木さん)ZEROキッズの活動が月2回で、学校五日制も始まったばかりの時ですね。

ZEROキッズの創立は?

(佐々木さん)1994年です。最初は、母体になった少年少女合唱団の先生にお願いしてファミリーコーラスと、幼稚園のえっちゃん先生(今は副園長)と表現遊びというのをやりました。その後、学校五日制の土曜日の休みが増えるのと合わせて、キッズの活動も月4回、毎週日曜になりました。

池田さんと「音のワークショップ」を始めて2年目に、やるんだったら単発じゃなくて続けてやろうということで「音を探そう、作ろう、遊ぼう」という連続講座にして、小学校から竹をもらって楽器を作って中学校の体育館で音楽会もしましたね。この頃からですよね、斉藤さんにもお手伝いして頂くようになったのは。

(斉藤)佐々木さんは子どもたちの表現力を育てるための様々な講座を開設して、それを定期的に開催されたり、子どもたちのミュージカルをなかのZEROホールで公演するなど、企画力とかアイデアが物凄く豊富な方なんです!

(池田)みんなで野川公園にハイキングに行って、シートを敷いた上に寝そべって、アイマスクを使って自然の音を聴いたり、糸電話で何メートルぐらい通じるかやってみたり。「オーイッ!」っていう声がどれ位遠くまで聴こえるか?というものやりました。

(斉藤)距離を測ったら「オーイ!」とか「ドラえもん!」とか言ってもあまり遠くまでは届かない。「ヤッホー!」って言うのが一番で200m位届いた。遭難した時「助けて~!」なんて言ってもあまり聞こえないことが判明。でも「ヤッホー!」じゃ誰も助けに来てくれませんよね?(笑)何でも良いから、こんなのどうかな?面白そうだよね?というのを全部やらせてもらったんです。

(池田)当時のZEROキッズは幼稚園児から中学生位まで幅広い年齢層の子どもたちが参加していて、時にはお年寄りが参加することもありました。そこで、全部、何をやってもいいよと言われていたので、子どもたちだけでなくスタッフもお年寄りもみんな一緒に音を楽しむ即興アンサンブルをやったんです。これがとても楽しかった!ああ、音を楽しむっていうのは、年齢に関係なく誰とでも一緒に活動出来るんだと、改めて実感・確認させてもらったのがこのZEROキッズだったんです。

(斉藤)こんなに自由に活動させてもらえるところは他に無いね!

(佐々木さん)池田さんと出会ったことで音楽観の転換というか、意識の転換というか、目からウロコの体験でした。ZEROキッズは表現遊びと池田さんの音遊びの二つが土台になっていると思います!音楽は誰でもできる、楽しめる。楽器が弾けなきゃいけないとか、歌が綺麗に歌えなきゃいけないとかではないという。

(口中)私も、初めて民音(民主音楽協会)で池田さんと斉藤さんの講習会をやらせてもらった時に感じました。今までのクラシックの概念というか、まず楽譜があって、楽器があって、作曲家の思いをいかに忠実に再現するかということばかり考えていたのが、全然違う。もう目からウロコ!という感じでしたね。驚きました。それから、全国、北は北海道から九州・沖縄まで、この講習会をやらせてもらいました。

(池田)その意味では、僕たちはZEROキッズの佐々木さんと民音さんに育てられました。本当にありがたいことです!

佐々木さんから見て、今後に期待することは?

(佐々木さん)今のまま楽しく自由にやっていただければそれで十分です。

(斉藤)今、ここ江古田の杜で新しく私なりの親子リトミック教室をやらせてもらっているんです。くにポン(池田)は国立音大のリトミック専攻だけど私はただ音楽に合わせて踊ったり笑ったりするのが好きなだけ。でも、お母さんと乳幼児を相手に始めさせてもらって、ここは楽しい!行けるぞ!という感じです。

(佐々木さん)最初は、赤ちゃんが対象だとどうなるのかな、という感じでしたけれど、とにかくお母さん方がみんな笑顔になってとても評判がいいんです。

(斉藤)お子さんが生後4ヶ月の時から参加されているお母さんから「ここでやるようになってから、家でも音楽を流すとそれに合わせて体を動かすようになったんですよ!」と嬉しい報告を受けました。自分の体の中から湧き出てくる動き、私のリトミックがその表現を出来るようになったきっかけになったとしたら嬉しい限りです。

(池田)大学の講義で学生に「音楽の苦手な人は?」と聞くと、必ず何人かが手を挙げます。でも“楽器の演奏や歌うこ「おひさまリトミック」(写真提供もりのいえ)とが苦手”っていうんじゃなくて、“音楽が苦手”って変だと思いませんか?実はこういった意識は学校の音楽の授業で植え付けられてしまうケースが多いんです。僕はそれを転換していきたい。

(佐々木さん)だからこそ先ほども言った、「音楽は誰でもできる、楽しめる。楽器が弾けなきゃいけないとか歌が奇麗に歌えなきゃいけないとかではない、くにポン達の“音の楽校”をやってもらっているんですよ。

(口中)日頃より私達NPOの活動に場を提供くださっていることに感謝いたします。今日はお時間を頂き有り難うございました。今後とも宜しくお願いいたします!

このインタビューの後、厚生労働省とスポーツ庁が主催する「第9回健康寿命をのばそう!アワード」が発表され、<母子保健分野>で「NPO法人ZEROキッズ」が参加98件のなかで最優秀賞を受賞されました。
中野区・江古田の杜のマンション群と地域をつなぐ多世代交流事業の成果が認められた成果です。受賞、おめでとうございます!

《関連リンク》
□ 特定非営利活動法人ZEROキッズ https://zerokids.org/
□ 江古田 もりのいえ facebook https://www.facebook.com/morinoie.egota
□ 明星大学 https://www.meisei-u.ac.jp/
□ 一般財団法人 民主音楽協会 https://www.min-on.or.jp/

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